プロジェクトが途中で中止になった!? そんな時ディレクターは何をするべきか?

ディレクションの考え方

Webディレクターとして仕事をしてると、稀にプロジェクトが途中で中止になることがある。

これまでに複数のプロジェクトを経験してきた方であれば、1つや2つ、途中でプロジェクトが中止になった経験があるのではないだろうか?

プロジェクトの中止というのは会社間の取り決め・契約によるものなので、中止が決定してしまえば、Webディレクターがどうこう出来るレベルの話ではなくなってしまう。

だがそんな状況の時、Webディレクターはどのような行動をするべきなのだろうか?

今回は「プロジェクトが中止になった時」に焦点を当てて考えてみよう。

Web制作プロジェクトが中止になる場合

さて、中にはこれまで全てのプロジェクトを無事に完了させてきた優秀なディレクターも、経験年数が少ないディレクターもいることだろう。

まずは、どんな場合にWeb制作プロジェクトが中止になってしまうのかをまとめてみよう。

ここでは、私たちWebディレクターが在籍している会社を「制作会社(ベンダー)」、Web制作を依頼してきた会社を「クライアント」として考えていく。

①クライアント都合でキャンセルされる場合(クライアントからのキャンセル)

まずは、クライアント側の都合によってクライアント自らプロジェクトのキャンセルを申し出た場合だ。制作会社側に何の過失もなく、クライアントの都合のみでプロジェクトが中止になるパターンと考えて欲しい。

おそらく、プロジェクトが中止になるパターンとしては、これが一番多いのではないだろうか?

こうなってしまう原因は様々だ。

クライアント側でWebサイト自体が必要無くなってしまったり、Webサイトは必要だけどリリースを延期することになってしまったり。

大きな会社の場合は、すでに制作がある程度進んでいるにも関わらず、経営者側の決裁が下りずに中止になってしまうケースもある。

いずれにしても、この場合は制作会社側には過失が無いので、落ち込んだりする必要はない。

②制作会社の過失でキャンセルされる場合(クライアントからのキャンセル)

続いて、制作会社に過失があってクライアントからキャンセルを言い渡されるパターン。Webディレクターとしては、これは最悪だ…。

クライアント側がWebサイトのクオリティに納得できなかったり、制作会社側の対応が不誠実だったり。あるいは、制作物に重大な欠陥があったり。

ともかく、制作会社が全面的に悪いパターンをイメージしてほしい。

こういったケースでは最悪の場合、損害賠償請求などにも発展する可能性がある。制作会社としては何よりも最悪な状況と言えるだろう。

もちろん、その全てがWebディレクターの責任とは言えないが、矢面に立って仕事をする立場である以上、クライアントへの謝罪はディレクター自身が誠実に行う必要がある。

想像するだけで胃が痛くなってくる…。

③制作会社が自らキャンセルする場合(制作会社からのキャンセル)

続いて、比較的レアなパターンだが、制作会社自らキャンセルを申し出るパターンもある。

基本的に制作会社というものは、よほどのことが無い限りは自分たちからプロジェクトを中止させることはない。自分たちがお金をもらう立場である以上、プロジェクトの中止 = 損失 になるからだ。

だが、それでも自分たちからキャンセルを申し出るパターンも少なからずあるのが事実だ。例えば、クライアント側の対応が不誠実だったり、契約内容と異なる作業を依頼された時など。

また、これも最悪のパターンだが、会社の資金がショートしていて作業が続行できなくなるパターンも可能性としてはある。

いずれにしても、仕事を引き受けた以上、途中で終了することは基本的には有り得ない。契約不履行という話にもなってくるため、こういった状況ではWebディレクターではなく上長・経営層が対応することになるだろう。

Web制作プロジェクトが中止になった場合の対処

では、実際にWebプロジェクトが中止になってしまった場合、Webディレクターはどのように行動すべきだろうか?ここからは、私たちに求められる行動やマインドについて考えてみよう。

ここでは、主にWebディレクターが対応することになる次の2パターンそれぞれで考えてみる。

①クライアント都合でキャンセルされる場合 → 謝る必要はなし!

まず、クライアント側の都合でキャンセルされた場合だ。結論、謝罪は必要ない。基本的にこういった場合、クライアントからは「こちらの都合で申し訳ないのですが…」といった温度感でキャンセルの話が来るはずだ。

そう、悪いのはクライアント側なのだ。

当初の契約を最後まで履行せず、自分たちの都合で途中解約するわけだから、悪いのは当然クライアント側。なので、制作会社側が謝る必要は全くない(もし自分たちに過失がある場合は別だが…)

むしろ、こういった場面で咄嗟に謝ってしまうのは危険と言えるだろう。謝る = 自分たちが悪いと認めることになるので、決して謝らないでほしい。謝罪はせず、担当者に同情と感謝を伝えよう。

「Webサイトがリリースできないのは当社としても残念ですが、御社の事情もあると思いますので、仕方ありませんね。」

「〇〇さんも諸々ご対応いただき誠にありがとうございました。」

など、「残念ですね〜」+「ありがとうございました」の両方を伝えるのが良いだろう。

加えて、「今回は残念でしたが、今後もし何かありましたらまたご相談ください!」などのように、次の案件に繋がるような言葉があるとより良い。制作会社側が常に誠実に対応していたなら、きっとまた別の仕事を依頼してくれることだろう。

②制作会社の過失でキャンセルされる場合 → 自己判断は絶対にしない!

続いて、最悪のパターン、制作会社が悪い場合の対処法だ。

まずは落ち着いて、キャンセルに至った経緯を整理してみよう。自分たちにも悪い部分はあったけど、クライアントにも悪い部分があったのか。それとも、自分たちが全面的に悪かったのか。感情に流されずに、冷静に整理してみるべきだ。

その上で、その経緯を上長に伝えて対応方法を相談しよう。もしあなたが社長でも無い限り、必ず上司への相談が必要だ。自己判断で勝手に謝ったり、逆にクライアントに物申してはいけない。身勝手な行動は、余計に自分や会社の首を絞めることになるからだ。

その上で、もし全面的に謝罪する方針になったら、それに従おう。本心でなくても、しっかりと誠意を込めて謝罪をするべきだ。

しっかりと謝罪の姿勢は見せつつも、気弱になってはいけない。相手から「一切費用は払いません!」などと言われた時に、勝手に「はい…それはもう、、ごもっともで…」などと、会社の不利益になるような態度や発言をしないでほしい。

また、仮にクライアント側に悪い部分があったとしても、そこを突くような発言は控えよう。クライアントを責めても基本的に得になることはない。クライアントの悪かった部分は、理不尽な交渉を仕掛けられた時の交渉材料でしかないのだ。

感情的になって、「だってあなた達も悪いところあったじゃん!」と歯向かうことだけは避けてほしい。

まとめ

さて、今回はプロジェクトが途中で中止になった場合の、Webディレクターに求められるマインド・行動について考えてみた。

プロジェクトは全てが最後まで上手くいく事ばかりではない。様々なトラブルに見舞われ、最終的には中止になってしま事だってある。そんな時でも、重要なのは落ち着いて次に繋げることだ。

最後まで誠実に対応すれば、きっと次の道がひらけてくる。それを忘れずに、ピンチな状況の時ほど冷静に行動しよう。

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