やらないことを決める。Webディレクションがグッと楽になる「引き算」の考え方

ディレクションの考え方

Webディレクターとして働いていると、 常に様々な分野の仕事に追われることになる。とあるプロジェクトではクライアントに営業をかけ、別のプロジェクトではデザインレビューを担当。また別のプロジェクトでは、複雑なWebシステムの仕様をエンジニアと共に作り上げていく…。

Webディレクターは担当するプロジェクトを自ら動かす立場だ。それ故に、プロジェクト全体を最初から最後まで見続ける必要があり、その度に様々な分野のタスクに追われることになる。

だが、多様なタスクに追われ続けていると、必ずどこかで疲弊してしまうだろう。こういった状況を改善し、もっと楽にWebディレクションをこなすためにはどうすれば良いのだろうか?

やらないことを決める、「引き算」の考え方

今日は提案用の資料を作らないといけないけど、別のプロジェクトではデザインレビューの打ち合わせが入っている。そんな中で実装中のWebサイトに重大なバグが見つかり、今から急いでその対処をしなければいけない…!

「ああ、あれもこれも!こんなにいっぱいできないよ!!」

Webディレクターの仕事は往々にして、どんどん仕事は追加されていく「足し算」で進んでいく。そんな状況であれば、いつかパンクするのは必然。だからこそ、「引き算」の思考が重要だ。

仕事を「足し算」で増やしていくのではなく、「引き算」で減らしていく。楽に仕事をこなしていきたいのなら、常にこのマインドを意識しておくべきだ。

引き算の方法とは

では、Webディレクションにおいて「引き算」をするにはどうすれば良いのだろうか?ここからは引き算の方法について考えていこう。

・頭を使うタスクに注力する

あなたが優秀なWebディレクターであれば、可能な限り頭を使うタスクに注力するべきだ。頭を使うタスクとは、クライアントとの交渉、Webサイトの仕様策定など。要するに、高いスキルがなければこなせないタスクのことで、あなたの能力が最も発揮できる仕事だ。

こういったタスクに注力し、それ以外の作業的なタスクは外注してしまおう。社内にアシスタントディレクター(AD)がいれば作業タスクを積極的に割り振るべきだろう。場合によっては、外部のアシスタントを活用することを検討しても良い。

プロジェクト全体を見れば、優秀なディレクターが頭を使うタスクに注力している状況こそが、最も効率的だ。あなたが煩雑で時間のかかる作業タスクに追われることは、プロジェクト全体から見れば非常に効率の悪いことなのだ。

もちろん、あなたがWebディレクターとしてまだ新米なうちは、作業的なタスクもしっかりとこなす必要がある。加えて、どんなにベテランであっても作業タスクに対応せざるを得ないことだってあるだろう。

全ての作業タスクを外注することは不可能だとしても、可能な限りそれらを外注することはできるはずだ。優秀な人材が「頭を使うタスク」に集中できている。まずはそんな状況状況を目指してみよう。

・過去の制作物を活用する

どのようなプロジェクトであっても、Webディレクションのおおまかな流れは常に同じだ。クライアントにヒアリングすべき内容も、制作するべき資料も、開発にあたって決めておくべきことも、多くのプロジェクトで共通していることばかりだ。

それなのに、毎回資料を作り直していたり場当たり的に対応していれば、それだけで多くの時間を奪われてしまう。だからこそ、使い回せるものはとことん使い回そう。提案資料やヒアリングシートは全てテンプレート化しておき、様々なプロジェクトで使い回せるようにしておこう。

毎回1から作る必要のない資料は意外と多く、一度作った資料をテンプレート化して使用することで大幅に工数を削減することができる。

・意味のないタスクを排除する

どんどん増えていくタスクの中で、実際はあまり意味の無いタスクはあるだろうか?特定の人物を説得するためだけの資料を作る時間だったり、社内メンバーに基礎的な業務のレクチャーをする時間だったり、必要以上に資料のデザインにこだわっている時間だったり。

そういった意味のないタスク(あるいは重要度の低いタスク)はなるべく排除するようにしよう。誰かと対面で会話をするタスクがあるのなら、テキストベースのやり取りで解決できないか考えよう。

意味のないタスクは意外と身近に潜んでいて、完全に排除はできずとも、そこにかける工数を圧縮することは容易にできたりするものだ。

・不要なミーティングを排除する

意味のないタスクと並んで私たちの工数を圧迫するもの。それが不要なミーティングだ。人間というものは何かにつけてミーティングをしたがる。もちろん、それが必要なミーティングであれば良いのだが、あまり意味のないミーティングの場合、それだけで貴重な時間が数十分〜数時間失われることになる。

特に、定例ミーティングは危険だ。大して話し合うこともないのに、毎週同じ時間を確保されてしまってはいないだろうか?

タスクに追われて余裕がない時は、普段のミーティングが本当に必要なものかを改めて考えてみよう。不要なミーティングを排除するだけで、あなたのタスクに余裕が生まれるかもしれない。

適切に引き算をするための準備

さて、ここまでWebディレクションの引き算について解説したが、実際に引き算をする上で普段からやっておくべき準備がある。今度はそんな「引き算をするための準備」について考えてみよう。

・誰かにタスクを振れる関係を築いておく

「引き算」をする上で重要なのは、自分の仕事を誰かに割り振ることだ。煩雑な作業タスクを別のメンバーに割り振り、あなたが頭を使うタスクに集中できるのが望ましい。そのためにも、事前に他のメンバーにタスクを割り振れる状態を作っておく必要がある。

他のメンバーの仕事を手伝って恩を売っておいたり、積極的にコミュニケーションをとって仲を深めておくことも重要だ。また、予めアシスタントの作業時間をある程度押さえておくのも良いだろう。

誰かにタスクを割り振るためには、実は入念な下準備が必要だ。困った時にすぐに割り振りができるように、他メンバーとの関係を構築しておこう。

・毎日何に時間を使っているのか監視する

自分がどんなタスクにどれくらいの時間を使っているのか、しっかりと把握しておきましょう。多くのディレクターは1日8時間かそれ以上の時間を業務に充てているはずです。そのうちの何時間を資料作成に、何時間を打ち合わせに、何時間を面倒な雑務に使ったのか、毎日振り返ってチェックしましょう。

クリティカルな仕事に多くの時間を使っている人もいれば、雑務にかなりの時間を割いている人もいるでしょう。まずはそれに気づくことが重要です。自分の時間の使い方が分かったら、より効率的に働けるように改善しましょう。雑務は別の誰かに任せるか、作業時間を減らせるように工夫しましょう。

まとめ

さて、今回はWebディレクターが楽に仕事をする上で重要な「引き算」の考え方について解説した。

あらゆる仕事が足し算で増えていく職種だからこそ、「引き算」の思考を持って自分が本当に重要な仕事にフォーカスできるような状況を作り上げておくべきだ。そうしなければ、きっといつかディレクターはパンクしてしまうはずだ。

日々のタスクを「引き算」しながら、効率的に、そして楽に仕事をこなしていこう。

仕事に対するマインドについては、以下の記事も参考になるだろう。

404 NOT FOUND | DIRECTOR HACK
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